「膣縫縮術」という言葉を知っているだろうか・・・・
まあ、仕事がら意外とどんなことも明け透けに話することに躊躇はない。
ただ、聞かされる話に戸惑いを隠せないだろうから、相手は選ぶし言葉も選ぶ。
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人それぞれみんな違ってみんないい。
その人をありのままに・・・そう思うが。
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折角だからこの話題に触れておこう。
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膣を縫い縮める・・・・まんまじゃん。
検索した所によると・・・・・
形成外科で行われる手術みたいですね。
手術は40分~1時間 費用は40万円程度
分娩経験のある女性が受ける手術のようです。
膣に縦に切開を入れて、横に何本か糸で縫い縮める。
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陣痛が始まったママを内診させてもらって不思議に思った。
膣内に2箇所、筋状に3本固い部分がある。
カルテを確認する。
既往歴なし、初産
心当たりがない・・・・・何だろう・・・・・
一瞬・・・膣縫縮術?と頭をかすめた。
しかし、初産だし、申告もない・・・・そんな事或る訳無いよと頭の中で否定する。
周囲に人がいるし、聞きたいが聞けない。
遠まわしに聞くが否定
このお産、経過が見ものだな・・・と思った。
予測しうる事態①硬くなったところから裂けて下手したら多量出血
②硬くなったところを通過できずに分娩が進まなくなり
胎児心拍が悪くなり緊急帝王切開か?
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ともかく分娩に関わるのだから、ちゃんと言っておいてくれないと命に関わる。
分娩はおかげで子宮口全開から4時間以上かかった。
全開から分娩までは状況が許せば離れないと決めている。
4時間私もあれやこれやと仕事しました。
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可愛そうに赤ちゃんの頭は長く伸びた。
恐らく早い時期に黄疸が上昇するのは間違いなく、光線療法は必要になるだろう。
分娩時の負荷がかかりすぎ、疲れすぎたのか・・・・おっぱいを吸う元気もない。
出産時の状態を簡単に表現する方法の一つにアプガールスコアというものがあるが
そのスコアーは1分後10点5分後10点と問題なかった。
が・・・・・相当に辛かったに違いない。
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排臨
(陣痛発作時は児頭が見え隠れするが陣痛間欠時には児頭は戻って見えなくなる状態)
まで漸くなった時に
発露
(陣痛発作時も陣痛間欠時も児頭が挟まって戻らなくなる状態)
まで待たないで糸を切るために会陰切開してもらって
早く分娩させて赤ちゃんを楽にさせてあげられたものを・・・・。
赤ちゃんに可哀想なことをしました。
そんな大事なことをずっと黙ったままで済まそうと思っていたんだね。
エゴに憤りを感じた。
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側切開した後の傷口から白い糸がのぞいていた。
やっぱりそうであったか・・・と分娩が進まなかった理由が判明した。
今頃わかっても遅いんだよ!!生まれた後では意味がない。
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黙っていてもわかるのです。
大事な赤ちゃんを無事に出産するために知らん振りは駄目だよ。
隠さずにちゃんと言ってくださいね。
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次から迷わない。
長い仕事人生でこんなこと初めてで
こんな事態は2度と遭遇することもないと思うが
もしも、
もう1度こんな事が起こったら
赤ちゃんのためにもっと強い態度で接することを心に誓う。
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